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WHYではなくWHATで聞く
Twitterで見かけた会話
仕事の中でのことだと思いますがこんな会話があったそうです。補足ですが、SEの方なのでここでいう「テスト」というのは学力試験のことではなくてシステムの動作確認のことだと思います。
「何の為にこのテストするの?」
— むぎSE (@MUGI1208) March 18, 2023
『こういうテストをするクセをつけた方がいいと思います!』
「いや、何を確認するためにこのテストが必要なの?」
『ならやらなくていいです』
「あ、いや。テストする目的が知りたいだけで」
『全て確認できてるのでやらなくていいです』
「んんっ??」
返信を見ると質問された側の能力を問題にしている人と、質問する側の聞き方を問題にしている人の両方がいるようです。
私は、質問する相手や状況に合った聞き方になっていなかったと考えています。
回答から想像すると
「何の為にこのテストするの?」(このテストはやらなくてもいいよね?)
『こういうテストをするクセをつけた方がいいと思います!』
「いや、何を確認するためにこのテストが必要なの?」(不要だよね?)
『ならやらなくていいです』
何らかの上下関係があると、事実確認のための質問なのに質問された側が責められたと思って質問した側が期待したものとは異なる種類の回答を返して来るということが起こります。
今回のケースでも質問された側が括弧で書いたような意図を感じてしまい、もとの質問と外れた回答をしたように思います。
聞き方について
自分が質問したときに見当外れの回答が返ってきた時は聞き方が悪かった、と思うようにしているので聞き方を工夫したいところ。
受け売りですがこんなことが言われていてそういうときもあるよねと感じていますし、今回の会話もこれに当てはまるのかなと思います。
- 「何で?」(Why)で質問すると、責められた気持ちになる
- そこから出てくる答えのほとんどが「いいわけ」になる
- 答えを引き出すには「何?」(What)で質問する
「何の為に」で始めたので責められた気持ちが芽生えた所に「必要なの?」がダメ押しになった感じがあります。Twitterの返信では注目されていませんでしたが「必要なの?」がなければ丸く収まっていたかも。そう考えるとテストをした方がいいという回答に対して「いや」という否定から入っていたのも、誤解が深まる要因に見えてきます。
完全に想像で、かつ、事実とは異なりますけど質問された側にはこういう会話になっていたと。
「テストする意味あるの?」
『テストは大事です』
「いや、テストはいらないよね?」
『ならやらなくてもいいです』
そのまま会話を続けても質問を質問としてとらえてもらいにくいので『ならやらなくていいです』という回答が返ってきたときに軌道修正が必要で、「ごめん、聞き方が悪かった」で一度会話をリセットして「このテストで何を確認したいんだっけ?」から入り直してテストの目的を確認するという方法に自分だったら切り替えるかなと思いました。「このテストの目的は何?」という聞き方で再スタートをしたいですけど、会話のリセットが不十分だとまた失敗しそう。
会話が冗長になってしまいますけどこの相手から回答を得るためにはこれが一番早いのかなと。多くの相手によっては「何の為にこのテストするの?」で問題ないと思いますし、ダメだったとしても「何を確認するためにこのテストが必要なの?」という再確認で軌道修正可能だと思います。
「何でそれをしたのか?」を聞かれたときに素直に理由を答えると余計に怒られてしまってさっさと謝ってしまうのが一番みたいなこともあるので、理由や目的を聞くときの聞き方は難しいですね。
「何の為にこのテストするの?」はWHYなのか?
WHATで質問するのが良いということですが、今回のケースがWHATになっていたのかをGoogleの翻訳機能を使って試してみました。
日本語 | 英語の翻訳 |
---|---|
何の為にこのテストするの? | What are you doing this test for? |
何の為にこのテストするの | why are you doing this test |
何の目的でこのテストするの | what is the purpose of this test |
WHATだったのですけどクエスチョンマークを消すだけでWHYに変わるという結果でした。「何の為に」という質問は誤解されやすいというのが現れているのかもしれません。
最小限の修正だと「何の目的で」という言い換えですね。それはそれで「動作が正しいかを確認するのが目的です」という期待したものとは違う回答になりそうで一筋縄ではいかないようです。